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第1話 待ち人

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1月12日
第2月曜

あ、成人の日だ。
あれ?そうだ、私今年の3月で二十歳じゃん。
今日は私の成人式だったんだ。

でも、家出してすでに実家にずっと帰っていない私にとっては、
もはや成人式なんてどうでもいい。

こんな大きなお腹じゃ振袖も何もない。
そういえば、二十歳前に結婚してる人も成人式には留袖ではなく振袖なのかな?

そんなことを考えながらため息をついた。
今年に入り、もう何回ため息をついただろう。
軽く一年分はついた。

いや、一生分かも・・・



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「はい。順調ですね、また2週間後にきてください」
「ありがとうございました」
「最近旦那様いらっしゃいませんね。お元気ですか?」
「・・・はい。元気です」

だと思います。

病院を後にし、車の中でまたため息が漏れた。


統矢さん・・・
今年に入り、いや、去年の年末あたりから統矢さんの様子がおかしい。
おかしい、というかもっとはっきり言うと、夜、家に帰らないことが多くなった。
会社をやめた統矢さんは、昼間はお屋敷で組の仕事をし、夜になると出かけていく。
そして次の日の午前中に帰り、また仕事をして夜に出て行く・・・の繰り返しだ。

私に対する態度も明らかに変わった。

またため息が出る。

女ができたな。



私が廣野組に来てから、今まで統矢さんが外泊することなんて一度もなかった。
それは私がいたから、と言っても自惚れではないだろう。
恋愛感情があったかどうかは別として、お屋敷に帰れば私がいたから、
女を抱きたい時はお屋敷で私を抱いた。
だから外泊などする必要がなかったのだ。

それがここ3週間ほど頻繁に外泊している。

初めのうちは仕事かな、と思った。
でも、女とは悲しい生き物で、
家を出るときとちょっと服の着こなしが違うとか、
知らない匂いがするとか、
気づきたくなくてもそんな些細なことに気がついてしまうのだ。

どこの昼ドラの主人公だよ、と自分で突っ込んでみるが、
気がついてしまうものは仕方ない。

はあ。

また、ため息。

元々、女関係は適当な統矢さんだ。
生涯女は私だけ、とは正直思っていなかった。
しかも、今は妊娠後期でもう1ヶ月以上身体を重ねていないし、
産後もしばらくは無理だろう。
それに、ここのところ例のマタニティブルーのせいか、自分でも分かるくらい私らしくない。
こんな私とずっと一緒なのも少し気疲れするはずだ。

ちょっと外で遊びたい・・・って気にもなるのかもしれない。

相手は・・・

クリスマスパーティの時の美女が頭をよぎる。

おそらく、愛さん、だ。
前から統矢さんに言い寄っていたと言うし。

統矢さんは相手にしていなかったようだけど、
結婚が決まり、跡取りもできた今、
妊娠中の妻から、自分に言い寄る美女に目移りしたのだろう。

統矢さんが普通のサラリーマンなら即離婚ものだけど、
こういう世界だ、多少の我慢は必要だ。

そう、去年、お藤さんに「ヤクザの女になるには覚悟が必要」と言われた。
その「覚悟」のだいたいは、こういう女関係なのだろう。

わかってる。
大丈夫。
ちょっと遊んだら、きっと統矢さんは私と蓮のところに戻ってきてくれる。

それでも、統矢さんが、あの愛さんを抱いているのかと思うと、
胸が苦しくなる。

そんな時は蓮のことを考える。
後、1ヶ月ほどで生まれてくる蓮。
どんな顔をしてるんだろう?
どんな声で泣くんだろう?

そうやって気を紛らわせる。


大丈夫。
私は統矢さんを信じてる。
統矢さんの一番は私と蓮だ。
私はただ待っていればいいだけだ。



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Category : [18years]本編 | Theme : 自作連載小説 | Genre : 小説・文学 |

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