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第24話 お買い物(後編)

電車のつり革につかまる統矢さん。
笑えるくらい似合わない。

「統矢さんも電車乗ったりするんですね」
「当たり前だろ。通勤も電車だ」
「あ。そうか」
「学生の頃から使ってるよ。親父はあまりいい顔しなかったけどな。電車ぐらい普通に使わせてくれ。
ストレスが溜まる」
「じゃあ、蓮にも電車は使わせるんですね」
「・・・危ないからダメだ」

お目当ての駅についたらしく、親バカ統矢さんは私の手を引いたまま駅に降りた。
といっても、新宿やら渋谷やらではない。
聞いたこともない駅だ。

「ここに何の用事ですか?」
「いいからついて来い」
「護衛の人とかなしで大丈夫ですか?」
「今から行く所で命狙われるようじゃ、もう一歩も外には出れないなー」

?なんだ?どこなんだ?

駅から歩くこと5分。7階建てのビルの入り口についた。

「・・・『Baby Town』・・・?」
「子供用品専門店ってやつだな、宏美に教えてもらった」
「宏美さん、子供いないのにどうしてこんなところ知ってるんですか?」
「友達の出産祝いとかをここで買うらしい」
「・・・へー。で、統矢さんはここに何の用なんですか?」
「・・・お前、もうすぐ自分が子供産むって忘れてないか?」

忘れてませんとも。
じゃあ何か?統矢さんはここで蓮のものを買おうと思って、私を連れてきてくれたのか??

「うへへへへー」
「・・・その笑い方なんとかしろって」
「ありがとうございます!嬉しいです!!」
「こんなとこ来るくらいで嬉しいのか?」
「来ること自体も嬉しいですけど・・・統矢さんが連れてきてくれたことが嬉しいです!」
「・・・ふーん」

お。照れてる。珍しい。。。
二人きりのお出かけ。
しかも、これから産まれる赤ちゃんの物を買いに行くなんて、まさに新婚さん!じゃないか!!
うへうへ笑わせてくれ。

よく考えれば、赤ちゃんの物だって、さっきのデパートでも買える。
それをわざわざ電車に乗ってここまで買いに来たのだ。
もしかして統矢さんは、私が二人で出かけたりできないことをちょっとストレスに感じていると気づいて、
こうして連れてきてくれたんじゃないだろうか・・・
そういう気遣いがすごく嬉しい。


それにしても子供用品専門店なんて初めてきた。
1階はオムツグッズや離乳食関係のものがズラッと並んでいる。
他のフロアには、子供服やおもちゃ、ベビーベッド、勉強机、5月人形やお雛様まである。

「すごーい。ここだけで、中学に上がるまでくらいの物がなんでも揃いますね!」
「そうだな。何から見る?」
「じゃあ、ベビーカーから!」

という訳で、3階のベビーカーやチャイルドシートが売っているコーナーへ。
少子化って本当か?と疑いたくなるくらい妊婦さんがいっぱい。
それ以上にいっぱいの種類のベビーカーがずらり。
さあ、何がどう違うんだ、さっぱり分からんぞ。

二人でぽかーんとしていると、すかさず店員が寄ってくる。
もちろんさっきの小倉さんのようにはいかない。

「ベビーカーをお探しですか?初めてのご出産でしたら、やはりA型ベビーカーですね。B型はしばらくは使えませんからね」

ベビーカーにも血液型があるのか?

「両対面式をご希望ですか?背面式でもよろしいとお考えですか?」

何もお考えになっておりません。

それから小一時間ほどベビーカーの基礎講座が開講され、終了時には統矢さんも私も
にわかにベビーカー博士になっていた。

「こっちはどうだ?」
「5.5キロ!?重すぎですよ!こっちは?」
「それ、背面式だけどいいのか?顔見て押せないぞ」
「あ、ほんとだ。じゃあ、これはどうですか?」
「背中の通気性悪そうだな。これは?」
「日よけの部分が浅いから眩しいんじゃないですか?」

そこから更に1時間。どれにするか決めた時は二人ともくたくただった。

「チャイルドシートは今度にするか・・・」
「そうですね・・・日が暮れそう」

ベビーカーを取り置きしてもらい、洋服売り場へ。
ここは私の独壇場!と思いきや、意外と統矢さんもこだわる。
自分の服は即決だったくせに。

「これと、これと・・・あ、これも!」
「おんなじサイズばっかりだと、着る前に成長して着れなくなるぞ」
「あ、そうか。2月生まれだから冬物と春物もいりますよね。春には何センチになってるんだろ」
「さあ・・・。お、これいいんじゃないか?」
「じゃあ、それも・・・あれ?綿100%じゃないけどいいですか?」
「チクチクして痛いかな?じゃあこっちだ」

10着くらい選んでから、ようやく1階へ。
ここでは新生児用のオムツをゴッソリ買い込もうとしたら、通りがかりの店員からアドバイスが。

「新生児用のオムツは2ヶ月も使えませんよ。そちらは少し減らしてSサイズにされたほうがいいと思います」

ほぉー。赤ちゃんの成長ってそんなに早いのか。

「よし!これくらいでいいですかね?」
「ベビーベッドとか布団はいいのか?」
「産まれてからしばらくは統矢さんとは別居して畳の客間で蓮と一つの布団で寝ますから。
統矢さんの部屋に戻ってからは、3人で一緒のベッドで寝ましょう」
「ちょっと待て、なんでしばらくは別居なんだ?」
「だって、夜に何回も授乳とかオムツとかで起きないといけないから、統矢さんしんどいですよ?」
「・・・つきあうよ」
「無理しなくていいですって」

廣野組の組長が寝不足でフラフラしてちゃあ、ハクもつくまい。


こうして1階の総合レジで選んだ商品をまとめてお支払い。
統矢さんが財布からカードを取り出す。

「・・・なんですか、その黒いの」
「クレジットカード」
「・・・ブラックカードってやつですか?」
「え?カードって種類とかあるのか?」
「・・・」

さすがに店員も気づき、少し青くなりながら決済する。
そんな店員の様子を無視し、統矢さんは、「宅配で」とか言って伝票を書く。

「そうだ。ユウ。このカードやるよ。これから買い物するとき好きに使え」

ユニ○ロでブラックカードって使えるのか。使えるよな。でも使いたくないぞ。



「そろそろ帰りましょうか」
「ダメだ」
「まだどこか行くところあるんですか?」

やった!

「ホテル」
「・・・妊婦とホテルですか」
「頑張ればできるさ」
「頑張りたくないです」
「ほら、蓮が早く兄弟ほしいって言ってるぞ」
「・・・」

妊婦って妊娠できるんだっけ?



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Category : [18years]本編 | Theme : 自作連載小説 | Genre : 小説・文学 |

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