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第19話 結婚しよう

しーん・・・

先ほどと変わらず、静かな大広間。

しかし!
今度の沈黙は気まずい!!
気まず過ぎる!!!
早く誰か何か言ってー!!
でも、私自身は相変わらず気持ち悪くて声がでない。

さすがに安藤先生も状況を理解したのか、微笑みながらこう言った。

「それは、ユウさん本人に聞いたほうがいいんじゃないですか?」

全員の視線が私に移る。
特に統矢さんの視線は刺すように痛い。

「ユウ・・・」

はい。ちょっと待ってね。
気持ち悪いのをグッと飲み込んだ。

「・・・と、統矢さんの子です・・・」

はああああああ~

安堵のため息が広がる。
さすがに、ここで「組長の子」じゃ気まず過ぎるだろう。

私はなんとか統矢さんに向かって微笑もうとするが、今はそれすらできない。
統矢さんは目を白黒させるばかりだ。

「うっ・・・!」

また吐き気が!!

「ユウ!」

統矢さんは私を抱き上げると、自分の部屋へ急いだ。

「大丈夫か?」

私は涙眼で頷く。

「苦しい・・・」
「ああ、着物だもんな。ちょっと待て」

部屋に入ると、統矢さんがビックリする位あっと言う間に着物を脱がしてくれた。
お藤さんが緩めに帯を締めてくれてるとは言え、早すぎる。
・・・そういえば、お藤さん、私が妊娠してるの気づいてたみたいだな。
身体つきとかの変化を感じ取ってくれたのだろう

「統矢さん・・・」
「なんだ?まだ苦しいか?」
「こーゆープレイで遊んだことあるんですか?」
「・・・お前なぁ」
「それと・・・」
「ん?」
「なんで下着まで脱がすんですか?」
「うるさい、こっち来い」

そう言って、私をベッドの上に寝かせた。
私の身体を眺めて、お腹に手を置く。

「・・・本当に妊娠してるのか?」
「はい」
「・・・俺の子?」
「はい」

統矢さんは、お腹を潰さないように片膝を立てて私の上に覆いかぶさった。
私の肩に顔をうずめる。
統矢さんの表情が見えない・・・私は緊張した。

「あの・・・どう・・・思いますか?」
「何が?」
「産んでもいいですか?」
「はあ?」

統矢さんが身体を起こす。

「何言ってるんだ?当たり前だろ!?」
「・・・喜んでくれますか?」
「・・・なんでそんなこと聞くんだ?」
「・・・」

涙が出てきて口が開けなかった。

「ユウ?」
「・・・だって・・・勝手に妊娠したから・・・統矢さんが嫌がったらどうしようかと・・・」
「勝手にって・・・お前、わざと妊娠したのか?」
「・・・」
「そういえば、お前薬飲んでたよな?それなのに、なんで?」
「薬はもう半年位前にやめました」
「妊娠するために?」
「・・・はい」

統矢さんはしばらく呆然としていた。

「もしかして、親父?」
「・・・」
「親父に、俺の子を産めって言われたのか?」
「・・・」

統矢さんは、はあ、とため息をついて再び私の肩に顔をうずめた。

「・・・」
「あの・・・ごめんなさい」
「・・・」
「怒りましたか?」
「嫌じゃなかったのか?」
「え?」
「いくら親父の命令でも、俺の子を産めなんて、ユウは嫌じゃなかったのか?」
「嫌じゃなかったです」

強く言った。それは誤解しないでほしかった。

「そうか」
「・・・」
「それなら何も問題ない」

統矢さんは顔を上げると優しく微笑んだ。

この顔。
私にだけたまに見せてくれるこの笑顔がとても好きだ。

私はまた涙が溢れてきた。

「ユウが泣くところ初めて見たな」
「だって・・・ずっと不安だったんです。統矢さんが喜んでくれなかったらどうしよう、って。
組長は『絶対喜ぶから心配ない』って言ってたんですけど」
「おお。さすが親父だな。俺のことよく分かってる」
「うう~」
「もう泣くなって。お腹の子供に障る」
「はい・・・」

統矢さんはお腹を気にしながら、私をギュッと抱きしめた。

「ユウ」
「はい」
「結婚しような」
「・・・はい・・・」



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Category : [18years]本編 | Theme : 自作連載小説 | Genre : 小説・文学 |

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