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第11話 今日は・・・

片付けの後、駐車場へ向かった。
まさか、本当に駐車場で・・・?
まだ昼の1時ですよ。
いや、そういう問題じゃなくて・・・

駐車場について辺りを見回した。
駐車場、と言っても、もちろんそんじょそこらの家の駐車場とは訳がちがう。
というか、この駐車場のスペースだけで何軒家が建つことやら。
そこにずらーっと高級車ばかり並んでいるのだから、人一人探すのも一苦労だ。

でも、たぶんあそこに・・・いてほしいな。
そう願いをこめて向かった先は、統矢さん専用の駐車スペース。

・・・いた!

「来たか。乗れ」

そう言って指をさしたのは、統矢さんの青いスポーツカー。

「乗っていいんですか?」
「早くしろ」
「はい!」

うわあああ!統矢さんの車に乗れる!!!

「あ、でもどこに行くんですか?私、こんな格好じゃ・・・」
「お前はいつもそんな格好だろ」

私は自分を見下ろす。
オレンジのフリースパーカーに、下に至ってはジャージだ。
よくぞここまで色気のない格好をできるもんだ。
一方、統矢さんはカッターシャツにニットの上着、下はジーパン。

「たいしたところに行くわけじゃないから、服装なんてどうでもいい」
「・・・はい」

なーんだ、たいしたところに行くわけじゃないんだ・・・
ちょっとガッカリしながらも、統矢さんの運転する車でお屋敷を後にする。

でも、すぐにそんな「ちょっとガッカリ」気分は吹っ飛んだ。
統矢さんが横で運転してる・・・
私はただ助手席に座ってるだけなんだけど、自分がものすごいことをしているように感じた。
よ、よくぞここまで頑張った、私!!

そんな感涙にむせる私に、統矢さんが情け容赦ない言葉を浴びせる。

「それにしても、お前、ほんといっつもそーゆー色気のない格好だな」
「色気なんか出してたら仕事できません」
「由美みたいメイドさん服着るとか・・・似合わないか」
「・・・」
「お藤さんみたいに、和服着るとか・・・着れないか」
「・・・」
「宏美や美月みたいに小綺麗な格好するとか・・・まあ、胸がないから色気はでないか」
「・・・」

盛り上がった気分が一気に冷め切ったところで、「たいしたことないところ」に到着したようだ。
おう。ここは田舎者の私でも知っている、かの有名な超一流ホテルじゃねーか。

地下の駐車場に入ると、支配人らしき人がやってきた。

「お待ちしておりました、廣野様」

誰だ、廣野様って。

「お荷物はございますか?」
「ない」
「かしこまりました。こちらへどうぞ」

エレベーターに入ると、支配人はずらっと並ぶエレベーターのボタンの一番上を押した。
フロントに立ち寄る気配もない。

「あのー、統矢さん・・・」

蚊の鳴くような声で話しかける

「ん?」
「やっぱり、この格好、ものすごーく場違いなんじゃ・・・」
「いいって」

そう言う統矢さんも、この雰囲気には随分軽装だけど、何故か違和感がない。
これが「育ち」というものなのか。
くそぅ。

「こちらのお部屋になります」

どちらのお部屋だ。目の前にはどうみてもスイートとしか思えない部屋しかないが。
統矢さんは、ありがとうと言うと、スタスタとその部屋へ入っていく。
私も慌てて追いかける。

す、すごい!!!
廣野家のお屋敷もすごいけど、ここは別の意味ですごい!!!
調度品もカーペットも家具も・・・一目で超高級品と分かる代物だ。
いかにも「金に糸目はつけません」と誇示しているような部屋。
眩しい・・・ここに置いてある物って盗まれたりしないのか。
そんなことを考える時点でこの部屋には相応しくないということか。

「広すぎですよ、ここ」
「確かにデカイなあ。どうせ使うのは一箇所なのに」

そう言って、当たり前のように私を寝室へ連れて行きベッドに寝かせる。

「統矢さん・・・するだけの為にここにきたんですか?」
「お前、家じゃ声出さないだろ」
「だったら、こんな凄いとこじゃなくてもラブホで充分じゃないですか。普通のホテルでも、
こんなスイートじゃなくて、普通の部屋で充分です」
「そうだな。次からそうするか。でも、いいだろ、誕生日くらい贅沢しても」

え?誕生日?今日?誰の?

「3月31日。お前今日、19歳の誕生日だろ?よくもまあ、こんな年度末のクソ忙しい時に生まれたよな」



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Category : [18years]本編 | Theme : 自作連載小説 | Genre : 小説・文学 |

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