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第23話 勘違いと逆恨み

きらびやかな街の中を、大げさに手を振って歩く。
手には青い花で作ったブーケ。

今日は、例のフラワーアレンジメント講習会の最終日だった。

講習会は私の予想以上の人気で、8割は会社帰りのOLさん。
そういう訳で、開始が毎週木曜の夜8時と遅い。
でも他にも、主婦っぽい人や男の人なんかもいる。

そして今日は総仕上げ、ということで結婚式用のブーケを作った。
ほとんどの人は白いブーケを作っていたが、
私はカクテルドレス用と言うコンセプトで青のブーケにした。
私の大好きなスマイルマーク(黄色のにこちゃんマークね)を
紙で作って持ち手の部分に張ってあるのはご愛嬌だ。

サムシングブルーと言って、花嫁は何か青いものを身につけると幸せになれるらしい。
もちろん私の周りで近々花嫁さんになる予定の人はいないけど、
いつか女中のみんなが結婚する時には私がブーケを作ってあげよう。
もちろん、自分の時にも・・・って、「組長の女」にそんな日は来るのかと、
苦笑いしてしまう。

自分の気持ちに気づいてからは、ことさら統矢さんを避けるようになった。
「会わなければそのうち忘れるだろう」作戦だ。
でも今のところ成功する気配はない。


関係が終わってから、実は好きだったんだと気づくなんてどんだけ間抜けなんだ。


はあ、と本日何度目かのため息をついたとき、後ろから声をかけられた。

「ねえ、暇?ちょっとつきあわない?」

おお、ナンパか。久々だな。
大輔に居酒屋で声をかけられた時を思い出す。
あの時は、家出したばかりで行くあてもなく、加えて既に酔っ払っていたので、
軽く応じたが、今の私にそんな余裕はない。
帰ったら御節箱の準備をしなければ!!!

「結構です」

と無視して去ろうとすると、グッと腕を掴まれた。

「ちょっと・・・!痛い!!」
「あんたが『結構』でも、こっちは用があるんだよ。本城ユウさん」

本城ユウ?
誰と勘違いしてるんだ?

顔を上げるといかにもチンピラって感じの男が5人、私を取り囲んでた。

え・・・?
なんだ、これ?
やばくないか?

それにしても「本城」って・・・聞いたことあるような・・・
ハッとひらめいた。
「本城」ってコウちゃんの苗字じゃないか!

ってことは、こいつら、私がコウちゃんの本物の姉だと思ってるってことか。
そんな誤解をしているということは。。。

落ち着け、落ち着け・・・
一生懸命記憶をたどる。
こいつらは私のことを「本城幸太の姉」として絡んできている。
コウちゃんに何か恨みがあって、それを私で晴らそうということか。

そして、私をコウちゃんの姉として認識しているのは・・・
そうだ!!!!
以前、コウちゃんの高校に呼び出されたときのことが蘇る。

あの時、私は「幸太の姉のユウ」だと名乗った。
あの場に居た人たちは、私のことを当然「本城幸太の本物の姉の本城ユウ」だと思ったはずだ。

女子生徒に迫り、コウちゃんに殴られた村山とかいう男子生徒・・・
彼はコウちゃんを恨んでるはずだ。
いや、彼の両親もコウちゃんや私のことを面白く思っているはずがない。

ということは、このチンピラ達は村山一家に雇われて私を探し出したのか。
なんて暇人。

「あの・・・あなた達勘違いしてますよ。私、本城ユウじゃありません」
「本城幸太の姉だろ」

そういわれると、「違う」とは言えない・・・
なんて呑気なことを考えてる場合ではない!!
こいつら、何をしでかすかわからない!!!

私は腕を振り切って逃げようとした。
でも、当然逃げられるわけがない。

私は男達に囲われたまま、どこかに引っ張られていった。

その時、ブーケが落ちた。
これを手がかりに誰か、助けにきて・・・

そう思ったけど、そんなこと都合よくは起こらない。
第一、その青いブーケが、私が作ったものだとわかるはずないじゃないか。


結局誰も、助けにはきてくれなかった。



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Category : [18years]本編 | Theme : 自作連載小説 | Genre : 小説・文学 |

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