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第20話 弟の粗相?

言っておくが、私は何も組長と寝てばかりの女じゃない。
私の本業は女中だ!
食事の準備も掃除もしなくてはいけない。
ちょっとした怪我人なら手当てもしてやる。
病人が出たら看病もしてやる。

そして・・・弟分の学校から呼び出されれば駆けつけてやる。
・・・何をやらかしたんだ!?コウちゃん!!!

コウちゃんの通う、「私立堀西学園」は私の想像を遥かに越えていた。
これ、本当に本物の学校?
例えて言うなら、「ドラマに出てくる、金持ちだけが通う学校」の典型だ。
しかも、ここは小・中・高・短大もしくは大学と、エスカレーター式。
すげー。
学費、どれくらいいるんだろう・・・?
よく、こんなところにコウちゃんが通うのを統矢さんが許したな・・・。

コウちゃんの生活全般の責任は、統矢さんが負っている(なんせ、自分で拾ってきたのだから)。
もちろん学費なんかは組のお金から出しているはずだけど、組長も統矢さんも組費に関しては、
「組員からの血税みたいなもんだから」と言って、意外と大切に使う。

それなのに、この学校。
門構えからして「貧乏人、お断り」って感じ。

貧乏人・ユウとしては非常に入りづらかったが、そこは大事な弟のためだ、
意を決して突入していく。

校長室に案内されると、そこにはオデコに「私が校長」と言う紙を張ったような男と、
これまた「その手下」という紙を張ったような男、それに男子生徒1人とその両親らしき男女、
そしてコウちゃんが緊張の面持ちで座っていた。

私が入っていくと、「その手下」が、

「あの、失礼ですが・・・本城君のお母様・・・でしょうか?」

んなわけあるかー!!!!!

「えっと。確か本城君は廣野様というお宅でお世話になっているはずですが・・・」
「コウちゃ・・・幸太の姉(?)のユウです」
「あ、失礼しました」

呼び出しといてなんじゃ、そりゃ。
それにしても。
「ユウ」って廣野組での通り名みたいなもので、本名は「結子」だったと今更ながらに思い出した。
私ってばすっかり染まってる。

コウちゃんが申し訳なさそうに私を見る。
そしてもう1人の男子生徒と両親が、まるで親の仇のように私を睨む。
その男子生徒の口元が青く膨れ上がり、バンソウコウが張られているのを見れば、
大体の事情はわかる。それでも一応聞いておこう。

「あの、うちの幸太が何か・・・?」
「何かじゃありません!!!」

金持ちだがいかにも神経質、という感じの母親がピシャリという。

「お宅の弟さんが、うちの健ちゃんを殴ったんですよ!!どういう教育なさってるんですか!?」

姉に向かって、どういう教育も何もあったもんじゃない。しかも「健ちゃん」ときたか。
こりゃ、手ごわそうだ。

「申し訳ないんですが、少し待っていただいていいですか?」

本来なら一番先にこの親子に謝るべきなのだろうが、
私にはどうにも納得がいかない。

コウちゃんは無暗やたらに人を殴るような子じゃない。
あのお屋敷で育ってる分、下手に手を出せば自分が痛い目に合うということをよく分かっている。
そのコウちゃんが理由もなく人を殴るとは思えない。

「コウちゃん、なんでこの子殴ったの?」
「・・・」

シカトときましたか。
それは、何か事情があるって、大声で言ってるようなもんだよ、コータ君。

「正直に言わないんなら、統矢さん呼ぶよ」
「・・・!」

コウちゃんの顔が明らかに「それだけは勘弁!!」という表情になる。
そりゃそうだ。
統矢さんを呼べば、コウちゃんが殴られるか、この男子生徒が殴られるか・・・
いや、もしかしたら校長も殴られるかもしれない。
どちらにしろ、穏便に、とはいかないだろう。

仕方なくという感じでコウちゃんが口を開く。

「村山(健ちゃんね)が、嫌がる女子に無理矢理言い寄ってたから・・・」
「助けたの?」
「助けたなんて大げさなもんじゃないけど。止めに入ったら食って掛かってきたから思わず殴った」

なーんだ。やっぱりね。そんなことだと思った。
それにしてもカッコいい事するじゃん。その女子に惚れられるぞ。
しかし、健ちゃんのご両親は、あらそうですか、と引き下がるわけも無く。

「う、うちの健ちゃんがそんなことする訳ないじゃない!!!でたらめよ!!!」
「そ、そうだ、そうだ」

父親が合いの手を入れる。
おい、親父、しっかりしろ!!!

「どうなの?村山君」

私は見下したように、うなだれる村山に問いかける。
村山は何も言わない。

「校長先生、もう少しちゃんと調べてください。本当に幸太が悪いようでしたら、
改めて学校と村山さんのお宅にお詫びに伺います」

私はそう言い捨てると、ポカンとする校長&手下と、青くなって震える村山親子を残して、
コウちゃんと共に校長室を出た。



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Category : [18years]本編 | Theme : 自作連載小説 | Genre : 小説・文学 |

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