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第18話 家政婦は見た!

気づけば夏も終わり、残暑はひどいものの9月になった。

私が廣野組にお持ち帰りされたのは4月の終わりだったから・・・
ここにきて4ヶ月以上がたったことになる。

色々あったなー。
女中になって初めてまともに料理に挑戦したり、髪を刀で切られたり、ビール瓶で殴られたり・・・
でも、なんといっても私にとって最大の出来事は、脱・処女だろう。
そしてその後もヤクザの組長&その跡取り息子の相手をさせられている。

だいぶ慣れてきたせいか、組長も統矢さんも私に要求することが多くなってきた。
統矢さんには「嫌です」と言えるけど、組長にはなかなかそうは言えない。

特に二人とも一番うるさく言うのが「声を我慢するな」ってことだ。
むりムリ無理!!!
面積的にはバカみたいに広い廣野家だけど、人間関係は濃い。
私のそんな声を誰かに聞かれた日にゃあ、その噂は光速で広まっていくに違いない。

最初の頃は、少し我慢すれば声は抑えられた。
が。
今となっては、それが私の最大の頭痛の種だ。
終わった後、「もしかして声、外に聞こえてたかな」と思い当たる日は、
しばらく部屋から出る勇気がでない。

組長の部屋はまだいい。
デカイし、ある程度防音も効いている(何かあった時の為に完全防音ではないが)。
でも、統矢さんは何故か必ず私の部屋にきてする。
私の部屋の壁なんて、厚さ数センチあるかないか・・・
角部屋のため、右隣は誰もいないが、左隣は美月さんの部屋だ。
少し声や音を立てれば、美月さんの部屋にも廊下にも聞こえるはず。

うわあああああ!!!
聞こえてないかな!?
一度由美さんにでも聞いてみようか・・・いや、聞くこと自体恥ずかしすぎる・・・

「要求」といえば。
統矢さんが、丸3日は笑える要求をしてきた。

「俺、抱く女は髪が長い方がいいんだよなー。だからユウ、髪伸ばせよ」




「大輔はどっちに賭けてるの?」

1人夕食の後片付けをしていると、大輔が晩酌をしにやってきた。
台所の流しに腰掛けて、夕食の残りをつまみながら日本酒、と洒落込んでる。
ついでに私もチビチビ頂いているが、今日は組長に早い時間から呼ばれてるので、
酔っ払うわけにはいかない。
「早い時間から呼ばれてる」というのはつまり、その・・・する、って意味だ。

「賭け?」
「私が組長と統矢さんのどっちの『女』になるか、ってやつ。あの賭け、すぐに立ち消えになるかと思ったけど、結構みんな飽きずに続けてるね」
「掛け金がいつの間にデカクなってるからな」
「え?そうなの?」
「そう。・・・だから早く決着つけてくれ」
「で、大輔はどっちにいくら賭けてるの?」
「俺は・・・賭けてない」
「なんで?」
「なんで・・・って」

と言葉を切って恨めしそうに睨んでくる。

「なに?」
「・・・俺は・・・組長に賭けたいんだけど、立場上そうもいかないんだよ。統矢さんの手前な」
「こんな遊びの賭け、どっちに賭けようが統矢さん、気にしないでしょ?」
「なんでそう思う?」
「え?だって、組長も統矢さんも私を本当の『女』にする気はないから、決着なんてつかないよ。あ、いっそ『どっちの女にもならない』って言う枠を作ったら?大輔の1人勝ちだよ」
「お前、ほんと、アホだな」
「はい?」
「もういい」

そう言うと大輔は台所から出て行った。ちゃかり日本酒を持って。
ついでに、台所に入ってこようとしていたコウちゃんを捕まえて引っ張っていってしまった。
未成年を晩酌に付き合わせるつもりか。
私もだが。

大輔の態度をいぶかしく思いながらも組長の部屋へ行った。
そういえば前、大輔に、私はやった後は顔にすぐ「やってました」って出るって言われたっけ。
気をつけよう・・・

そう思ってたのに、結局終わったときにはそんなことはどうでもよくなってた。
組長とはいつもそうだ。
記憶も定かでない。

結局その日は朝まで一睡もさせてもらえず、ぼんやりとベッドに横たわってると、組長がまた面白いことを言い出した。

「ユウ、どうして髪を切った?」
「・・・」
「俺もそうだが、統矢も髪の長い女が好きだろう?お前が切るのをよく止めなかったな」
「・・・・・・」

組長のスットボケ発言のお陰で、なんとか気を持ち直して普通の顔で部屋を出ようと扉を開けた。
すると、廊下の少し向こうの扉が小さく開いた。
あれは・・・統矢さんの部屋だ。
思わず身を隠した。

当然、中からは統矢さんが出てきた。
そして・・・続いて誰か出てきた。

私は息を呑んだ。
美月さん!?

美月さんは相変わらず地味な黒っぽい格好をしていたけど、
ちゃんと化粧もしていつもより綺麗だった。
こんな早い時間に、統矢さんに何の用だったんだろう。
それとも・・・一晩中一緒にいたのか?


気づいたら台所でコウちゃんのお弁当を作っていた。
すると、外からかすかにエンジン音が。
窓の外を見ると、青いスポーツカーが門から出て行った。
あれは、確か統矢さんの車だ。
助手席は見えなかったけど、美月さんが乗っていると何故か確信できた。


そしてその日、二人とも帰ってこなかった。



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Category : [18years]本編 | Theme : 自作連載小説 | Genre : 小説・文学 |

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