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第16話 ヤクザの女

私が組長の部屋に通っている(通わされている)ことは、
瞬く間に組中に広まった。

それを追いかけるように、統矢さんが私の部屋に出入りしてることも広まった。

どう考えても普通のことではないんだけど、そこはさすがヤクザ。
道徳も倫理もあったもんじゃない。

みんな、私が組長と統矢さんのどちらの正式な「女」になるか賭けまでしてやがる。

「うーん、立場的に考えればやっぱり組長だろ」
「でも歳からしたら親子くらい違うぞ」
「いや、孫って言ってもいいんじゃね?60歳と18歳だろ」
「じゃあ、やっぱり統矢さんか」
「おい、ユウ、どっちだ?」

私に聞くなー!!!!!!
私はそんなもんになるつもりはなーい!!!!!

「えー。ヤクザの親玉の女なんて、超リッチな生活できるじゃん。何が不満?」
「何もかも。てゆーか、コウちゃん、高校生がそんなこと言うんじゃない」
「それにしても『女』の定義ってなんなんだろうな。ヤれば『女』なら、
ユウはもうどっちともの『女』だよなぁ。そうそう、おめでとう、脱・処女」
「庄治・・・私がいつか本当に『女』になったら、まず最初にあんたを追放してやる」
「ひでーなぁ。ビール瓶で結ばれた仲なのに」

どんな仲やねん。

でも確かにどこまでが「ただの寝る用の女」で、どこからが「ヤクザの女」なんだろう。
今の私は明らかに前者に属するだろうが、
もしも、百歩譲って、万が一、いや、億が一、ほんのちょびっとでも恋愛感情があれば、
「ヤクザの女」に昇格するのか。

いっそ、このまま降格し続けたい。


1人ブツブツいいながら、台所へ夕食の片付けをしに向かう。

「ユウ、今日はもういいよ。また組長に呼ばれてるんだろ?」

お藤さんが気を使ってくれる。
お藤さん始め、女中のみんなも私のこの状況になんのわだかまりも感じていない模様。
宏美さんと由美さんは、言わずもがな面白がっている。

「女の園」らしく、嫉妬とかイジメとかないのか。

「こーんな面白い賭けないですよねぇ〜」
「ほんま。組員と女中の組み合わせはよくある話やけど、さすがに組長と女中は初めてみるわ。
しかも統矢さんまでそこに加わるとは。がんばりや、ユウ」
「そうそう、頑張ってね!」

だから、何を頑張るんですか。

「あの。今日は組長のとこに行かないんで、大丈夫です」
「組長のとこに行かへんってことは、統矢さんが来るんちゃうの?」
「いえ、今日はその・・・とにかく大丈夫です。片付けします」


全部の仕事を終えて、部屋に戻るともう11時だった。
統矢さんは来るだろうか。
来るだろうな、きっと。

最初のうちは、統矢さんは父親に対する単なる反抗心で私を抱いてるのかと思った。
でも、統矢さんはちゃんと組長である父親を優先し、
組長が私を部屋に呼んだ時には、絶対私のところへはこない。

逆に、組長のところに行っていない時は、たいていやって来る。
たぶん、組員の誰かに私が組長の部屋に入って行ったかどうか聞いてるんだろう。

そうだよな、統矢さんは大人だ。
父親にしようも無い反抗をする歳ではない。
父親の立場も自分の立場も分かってるんだ。

分かってるんだったら、私のところには来るなと言いたい・・・。

そのとき、ノックする音がして、ドアが開いた。
振り向くとスーツ姿の統矢さんが入ってきた。
仕事から帰ってきてそのまま来たようだ。

「・・・スーツ、ちゃんと脱いでハンガーに掛けとかないとシワになりますよ」
「じゃあ、ハンガー貸してくれ」
「いや、自分の部屋で着替えてくださいっていう意味です」
「うるさい。って、お前、何書いてるんだ?」

統矢さんは、簡易机に覆いかぶさるように書き物をしている私を押しのけた。

「えーっと、何々。『生理中のため立ち入り禁止』・・・って、俺へのアテツケか?」
「ええまあ」
「ええまあ、じゃねーよ」
「だって、本当のことですから。一週間は無理です」
「ユウ知ってるか?別に生理中でもできるんだぞ?」
「死んでもヤです」

それでも結局統矢さんは、文句を言いながらも「風呂に入る」と言って部屋を出て行ってくれた。

おおお!
生理中は組長とも統矢さんともしなくていいのか!!!
やった!生理万歳!!!もう、一生、生理のまんまでいいぞ!!!

私はウキウキしてベッドにもぐりこんだ。


―――2時間くらい寝たころだろうか、カチャッとドアが開く音がした。
寝る前ちゃんと鍵をかけたのに。
私の部屋の鍵を持ってるのは・・・

そう考えてる間に、そいつはモゾモゾとベッドの中に入ってきて私の身体に手を回した。

「・・・統矢さん、嫌だって言ったでしょ?」
「わかってる、何もしないって」
「じゃあ、自分の部屋で寝てください」
「ここは俺んちだ。どこで寝ようと俺の勝手だ」

粗大ゴミの日はいつだったか。


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Category : [18years]本編 | Theme : 自作連載小説 | Genre : 小説・文学 |

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